音楽がここまで身近なものになっていなかったら、小説家になっていたのかもしれない、そう思えるバンドが2000年にメジャー・デビューした Bump Of Chicken が現れてからちらほらと生まれている気がする。
恋愛や風景なんかは今までもよく歌詞の題材になっていて名曲も数多く存在するが、細かな心理描写を歌詞に載せて、バンド・サウンドで表現していることで小説とは一風変わった物語性が出来上がっているように感じる。
曲調と歌詞の内容とにけっこうな差があるので、1度聴いてみないと何ともいえないバンド。
Lyu:Lyu もそんなバンドなのだろう。 歪んだギターの音色、ダイナミックなドラム、そこに時に爆発的に叫びながらも冷静さも残した ボーカルによって人の内面が描かれていく。
たぶん人によっては聴けない人もいると思う。
助けてもらう物語ではないし、ものすごく悩んでいる。 音で描かれている世界と、歌詞の描かれている世界のギャップがある故にリアリティが半端ない。
絶望も悪くない、と、そういうことなのだろうか。
そういう世界も隣り合わせに存在している、と訴えているのだろうか。
音楽という表現を通してこそ、伝わっていく、認められていく世界なのかもしれない。
人を楽しませるというよりは、音で飲み込むようなバンド、それが Lyu:Lyu
全く、凄まじいバンドだ。
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