メタルの醍醐味はメロディアスなギター・フレーズやアグレッシブなリズムだと思う。
機械的ともいえるほど正確、かつ、スピーディなドラムとギター。
途中で、ブレイクダウンと呼ばれる重いリズムで一気にテンポを落とし急展開を見せる。
世界的に広がりを見せる「メタルコア」と呼ばれる音楽の1つの基本形だ。
(デス・ボイスも含まれるので前回の記事のように楽器として聴いてみてください。)
アメリカはペンシルバニア州の August Burns Red も、その例にもれない。
2003年結成なので、12年の経歴を持つこのバンドが幾多のバンドの中で続けていられるのは、トップクラスのメタルコア的なリズムやフレーズの正確さ、鋭さに加え、時に透明感ある音で展開される異空間を体験できるからであろう。
3rd アルバム "Constellation" , 4th "LEVELER" で既に、その洗練された音を聴くことができる。
その "LEVELER" の2曲目、Internal Cannon のブレイクダウンで聴けるスパニッシュなギター、日本盤のみで聴けるピアノ・バージョンや、The Bells というバンドのカバー等も素晴らしい。
1つの形と書いた急展開も、August Burns Red は、嫌みもなく当然のことように展開させる。
演奏技術の高いバンドが多いメタルコアだが、この展開の部分で躓くことが意外と少なくないように感じる中で、一歩突き抜けているのは間違いない。
他のサイトでも記している人がいるが、このバンドは常に進化する。
アコギだけでなく、ストリングスをブレることなく導入できるのは、メタルコアの特性を知り尽くし、センスが際だっているからだろう。
日本では CROSSFAITH , Her Name In Blood あたりが突き抜けているし、他にも名前を聞くバンドが多数いて、他のジャンルよりもどこで差をつけられるかがシビアなように思う。
ただ、細かいことを求められる音楽なので、結構、日本人向けの音楽ではないのかもしれないですね。
余談でした。
とはいえ、世界はこれです。
上には上がいます。
去年(2015年)6月30日に7枚目のアルバム "Found In Far Away Places" が発売されたわけだが、飽和状態とも言われるメタルコアをさらに一段階進化させた。
単なる思いつきや詰め込みではありません。
高いレベルでリフやブレイクダウンを用いて曲を展開させていくセンスが感じられます。
グラミー賞にノミネートされたのも納得の出来でメタルコアはこのアルバムだけ聴いてもいいのでは?と思いたくなります。
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- 発売日: 2015/07/10
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- アーティスト: オーガスト・バーンズ・レッド
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